労災大幅に減少 経済活動の縮小背景(静岡県)

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2009年12月04日 19:27

 静岡県内の労働災害事故が大幅に減少している。背景には企業の安全意識の向上と景気悪化に伴う経済活動の縮小があるとみられ、今年の死者、けが人はともに前年同期を大幅に下回り、過去最少を更新するのがほぼ確実な状況だ。一方、年末年始にかけて労災の増加が懸念されることから、静岡労働局と県内の労働基準監督署は今月1日から来年1月15日まで、無災害運動を展開している。

 静岡労働局によると、今年に入ってから発生した労災事故による県内の死亡者数は23人(11月12日現在)で、前年同期の45人から半減した。業種別では製造業が13人から4人に激減、建設業も18人から9人に半減した。
 休業4日以上のけが人を含む死傷者数は、10月末時点で2988人。前年同期より17・3%(621人)減少し、業種別でも労災の多い製造業や建設業、運輸交通業などでいずれも20%前後の大幅減となっている。
 
 年間を通した過去最少人数は死亡者が07年の48人、死傷者が05年の4688人で、このままのペースで推移すればともに下回ることが確実な情勢。静岡労働局は「リスクアセスメント(危険度の事前確認)の徹底など各事業所の取り組みの成果で労災事故が減少傾向にあることに加え、不況で生産活動が低下していることが要因」(安全衛生課)とみている。
 経済活動の大きな節目となる年末年始を迎え、静岡労働局と労基署は県内の事業所に生産設備と作業基準の総点検を促すとともに、パトロールを強化するなどして労災の撲滅を目指している。

静岡新聞 平成21年12月4日記事より

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