「名ばかり」店長の過労死でグルメ杵屋に賠償命令
外食チェーン「グルメ杵屋」の系列店で店長をしていた従業員男性=当時(29)=が心臓疾患で死亡したのは長時間労働による過労死だったとして、両親が同社に約8千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が21日、大阪地裁であった。田中敦裁判長は「会社は安全配慮義務に違反した」として、会社側に約5400万円の支払いを命じた。
外食産業の店長は権限を持たない「名ばかり管理職」が多いとされる。田中裁判長は判決理由で「男性は経営者の立場といえない」と認定。このうえで、会社側の安全配慮義務について、一般従業員と異なり、店長に対する時間管理が出勤表の自己申告しかなかった点を「実態を反映しておらず不十分だった」とした。
判決によると、男性は平成9年に入社し、15年に店長を務める店舗内で急性心筋梗塞(こうそく)により死亡。16年11月に労災認定された。グルメ杵屋は「判決結果は聞いているが、詳細は承知しておらずコメントできない」としている。
産経ニュース 平成21年12月21日記事より
関連記事