オリンパス内部通報社員が敗訴 配転命令違法と認めず
上司が取引先の社員を引き抜こうとしていることを社内のコンプライアンス室に通報した結果、不当に配置転換を受けたとして、精密機器メーカー「オリンパス」(東京都新宿区)の社員浜田正晴さん(49)が元の職場への復帰と慰謝料など1000万円の支払いを同社に求めた訴訟の判決が15日、東京地裁でありました。
田中一隆裁判官は「配転命令に、通報への違法な報復目的は認められない」として浜田さんの請求を棄却しました。
田中裁判官は判決で「配転により給与減額を伴う降格などはなく、原告に不利益は認められない」と判断。また、オリンパスは社員引き抜きの違法性を認識しておらず、配転によって内部告発を制限する目的があったとは考えられないとして、浜田さんの告発は公益通報者保護法の保護対象にはならないとしました。
訴状によると、浜田さんは非破壊検査機器の営業を担当していた07年6月、上司が取引先の社員を引き抜こうとしていることを知り、コンプライアンス室に通報。その後の窓口とのやりとりメールを上司に送信され、同年10月、新規事業の調査研究を行う部長付の職に異動を命じられました。
浜田さんは「会社のため通報したのに正直者がバカを見る結果で残念」と控訴の意向を示しました。
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