パートへの厚生年金適用拡大、中小企業は猶予
2012.1.11付の日経新聞によると、厚生労働省は社会保障と税の一体改革素案に盛り込んだパート労働者の厚生年金・企業健保への加入拡大で、当面は従業員300人以下の企業で働くパートの適用を猶予する方針だ。中小企業の保険料負担が急増しないよう対象者を絞る。300人超の企業でも対象者は月収9.8万円以上に制限する激変緩和措置を検討するとのこと。
政府は厚生年金・企業健保の加入条件を週30時間以上労働から20時間以上に緩め、約400万人のパート労働者を国民年金・国民健康保険から厚生年金・企業健保に移す目標を掲げている。一体改革関連法案に盛り込む方向で、2015年度までの実現を目指している。
厚生年金・企業健保の加入者の保険料は原則、労使の折半負担で、一気に400万人が加入すると企業の負担増は年6千億円規模となる。なかでもパート比率の高い外食産業や流通業は負担が急増する適用拡大に反発している。そこで厚労省は当面は従業員300人超の企業に適用を絞り、対象パートの約7割は適用外とする方針だ。
企業規模以外に当面は月収9万8千円以上といった制限も設ける。こうした激変緩和措置により、当初の適用対象は数十万人規模になる見込みだ。基準は段階的に緩め、最終的には400万人に適用を拡大する方針。具体的な適用基準は1月下旬から厚労相の諮問機関である社会保障審議会の部会で詰める。
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