2013年05月30日

Vol.4 労働基準監督署の調査が入る?

~労働基準監督署の調査が入る?~
A社長

A社長
「先日、知り合いの経営者の会社に労働基準準監督署の調査が入ったそうだよ。
退職した社員が申告したらしく、遡りで2年分の未払い残業代を払うことになり、他にもいろいろと指導を受けたそうだ。労基署の調査ってどういうものなの?」


社労士
「労基署の調査には大きく分けて“定期調査”と“申告による調査“の2つの種類があります。定期調査は、その年度の労働局の重点施策などに沿って、一定の業種に入ったり、何年も調査に入っていない事業所の中から、ランダムにピックアップして調査に入ることもあるようです。突然、監督官がやってきて“ちょっと製造現場を見せて下さい。“ということもあります。また、申告による調査は、主に従業員の労基署への“タレこみ”に基づく調査です。最も多いのが未払い残業による申告で、労基署も事前に一定の情報を得ているため、その項目について重点的に調査を進めます。今、この従業員の労基署への申告がとても増えています。」


A社長
「調査が入ったらどんなことを調べられるの?」


社労士
「一般的な事例でのお話になりますが、定期調査の場合は、製造業などの業種は、設備等が労働安全衛生法上、問題ないかを確認します。そして、賃金台帳やタイムカードなどから未払い賃金がないか、労働時間の管理を適正に行っているか等を調べられます。また、有給休暇の管理や健康診断を定期的に行っているか、36協定の届出の有無なども調査の対象となります。申告による調査の場合は、かなりピンポイントで申告があった内容について重点的に調査を行います。」


A社長
「具体的にどんな指摘や指導をされるんだろう?」社労士「明らかな法律違反があれば“是正勧告書”、程度に応じ“指導票”などが交付され、改善すべき項目を指摘され、報告を義務付けられます。
その中でも、会社にとっては最も問題になるのが、未払い残業ですが、定期調査では3カ月程度申告による調査では、最大2年分の支払いを行い報告するよう指導を受けることがあります。」


A社長
「うちの会社は、残業は1日2時間までと決めていて、それ以上の残業代は支払っていないよ。
万が一、労基署の調査が入ったら困るね。」


社労士
「今の状況では、法律違反で是正勧告の対象になりそうですね。就業規則や賃金体系の見直しを行う
などして、法律違反にならないよう、労務管理全般を整えていく必要があると思います。」


A社長
「それなら、早急に対応しないといけないね。 また、具体的な相談に乗ってください。」

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Posted by aiai_mc at 17:57 │人事労務事件簿

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