2009年11月24日

日本航空 企業年金減額案 現役53%・OB30%

経営再建中の日本航空は23日、政府支援の前提となる企業年金給付削減の割合について、制度改定案の概要を東京都内で開いた説明会で現役社員とOBに西松遥社長が提示しました。退職者分を30%強、現役社員分を約53%、平均約44%を削減する内容です。

具体的な減額割合が示されたのはこれが初めてで、これにより、年金債務は二千数百億円圧縮されるとみられます。

西松遥社長は、自らの経営責任について「痛感している。しかるべき形でけじめをつけたい」などと述べ、再建の方向性が定まった段階で辞任する意思を示しました。

日本航空は年金改定に向けて退職者約9千人、現役社員約1万6千人のそれぞれ3分の2以上の賛同を求め、来年1月に賛否を問う投票を実施。また、現行制度では、年金制度から離脱する人は減額前の運用利率で計算した金額を一括受給する権利があるため、一括受給しない意思表示をOBの3分の2以上から得ることも目指します。

退職者からは早くも反対の声が上がっており、年金減額に向けたぎりぎりの攻防が展開されそうです。

日本航空の企業年金は退職者1人当たり月平均25万円程度支払われているとされ、減額されれば月8万円程度減る計算。企業年金とは別に国民年金、厚生年金も給付されます。

西松社長は「国民の皆様の理解を得られる形で公的資金を受け会社再建を図るには年金改定が必要」と協力を要請。改定案が否決された場合、日航が法的整理に追い込まれる可能性を指摘しました。



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