2010年01月08日

石綿肺、クボタ旧工場周辺の住民が発症 国内初

周辺住民らにアスベスト(石綿)被害をもたらした、兵庫県尼崎市の大手機械メーカー「クボタ」旧神崎工場の近くに住んでいた同市の男性(69)が7日、記者会見し、石綿を大量に吸ったことによるじん肺の一種「石綿肺」になったことを明らかにしました。

石綿肺はアスベストを使用する工場に勤務していた人などが大量に吸い込むことで肺がおかされ、呼吸困難などの症状を引き起こします。工場の従業員は労災の対象ですが、石綿を扱う労働者以外で石綿肺を発症した例は確認されていないとのことです。

男性によると、クボタが旧神崎工場で毒性の強い青石綿を大量に使っていた57~75年には、その近くで当時は家族が経営していた金属加工会社の工場で働いたり、寝泊まりしたりしていましたが、その工場では石綿は扱っていなかったといいます。

クボタは石綿健康被害救済法(石綿新法)が施行された2006年4月、工場近くの被害住民に救済金を支払う制度をつくり、09年9月までに約180人が受け取りましたが、対象の病気は中皮腫と肺がんだけです。

クボタのアスベスト(石綿)被害救済に取り組んできた尼崎労働者安全衛生センターの事務局長は、「救済から漏れる人がさらに増える可能性もある。法改正を検討すべきだ」としています。




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