2010年07月27日

うつ病自殺、公務災害と認定-兵庫県芦屋市職員

 阪神大震災後の復興事業などを担当し、2002年にうつ病から自殺した兵庫県芦屋市の男性職員=当時(41)=について、業務上の負担が大きかったためとして、地方公務員災害補償基金兵庫県支部が、民間企業の労災に相当する公務災害と認定していたことが26日、分かりました。同基金などによると、精神疾患の公務災害が認められる例は珍しいといいます。

 芦屋市によると、1999年4月から総務部企画課(当時)に勤務。震災復興事業や財政計画策定などに従事。00年は震災による財政難と行財政改革が重なった時期で、1カ月の超過勤務が100時間を超えたことが何度もありました。特に、同年7月31日~9月8日の40日間は休みがなかったといいます。01年3月にはうつ病と診断され、同年4月に別の部署に移ったものの、男性は02年5月に自殺しました。

 遺族は同年9月に同支部に公務災害認定を申請しましたが、因果関係はないとして退けられました。不服申し立てを受け、同支部審査会が業務は質的、量的にも過重で、うつ病は公務に起因すると判断を覆したため、同支部は昨年12月に公務災害と認定しました。

 芦屋市は「不幸な結果を招いたケースで、特殊な勤務状況だったことが理解されて良かった」と話しています。

 また、職員の妻は「夫はただ仕事を一生懸命にやっただけ。これを機に、公務災害がきちんと認定される社会になってほしい」と話しました。

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