2010年08月06日

国民年金保険料の納付率、初の60%割れ

 厚生労働省は5日、2009年度の国民年金保険料の納付率が08年度に比べて2.07ポイント低い59.98%と過去最低を更新したと発表しました。

前年度を下回るのは4年連続で、初めて60%を割り込みました。

現行制度が始まった1986年度以降、納付率が最も低かったのは08年度の62.05%でした。

 納付率が低下したのは、景気低迷などで企業を解雇され、国民年金に加入しても保険料を払えない事例が増えたこと、「消えた年金」などへの根強い不信感から納付を拒否する人も多いこと、また、年金記録問題の対応に追われて保険料徴収に人手を割けなかったことなどが要因となっています。

 厚労省は「保険料を納めるよう催促することを委託した民間業者への指導も不十分だった」と説明しています。

 政府は「納付率80%」を前提に将来の年金財政を設計しており、このまま低下傾向が続けば年金財政への影響も大きいものとなります。

 昨年の政権交代で年金制度の信頼回復を掲げる長妻昭厚労相が就任したものの、納付率が低いままでは、将来多くの無年金・低年金者を生みかねない状況です。


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