2011年10月20日

政府、介護保険料引き上げ検討 -来年度改定で-

 政府は19日、介護職員の給与水準を維持する財源を確保するため、大企業に勤務するサラリーマンについて介護保険料引き上げの検討に入ることを明らかにしました。介護サービスの一部利用者の負担増も検討課題とする予定です。
 厚労省は、所得水準が比較的高いとされる大企業のサラリーマンの保険料負担を増やした場合、2015年度で最大約1600億円を捻出できると試算しています。
 現行制度では、40歳以上65歳未満は、加入する医療保険の加入者数に応じて介護保険料を負担。加入者の所得水準がより低い全国健康保険協会(協会けんぽ)や国民健康保険には国が補助しています。新制度では、収入に応じて負担割合を決める「総報酬割」を導入して大企業サラリーマンが加入する健康保険組合の負担を増やすことで、国庫補助はなくす方式を検討します。
 政府は、他業種に比べて給与水準が低く、人材不足が続いている介護職員の救済策として、政府は09年に「処遇改善交付金」を創設。09年度補正予算で約4000円を計上し、職員1人当たり月平均で1万5000円を支給している。介護報酬の額は介護サービスに携わる労働者の賃金水準に直結しやすい。政府は介護報酬を引き上げることで介護士や看護師などを安定的に確保し、現場に定着させることを目指します。
 交付金は来年3月で期限切れとなりますが、厚労省は職員の給与水準は依然低い状態にあるとして、交付金に相当する財源を確保する必要があると判断。年末までに財源の調達案をまとめ、次期通常国会への関連法案提出を目指します。

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