2012年01月17日

12年度報酬改定で再診料の支払い方法提案―厚労省

 2012年1月13日、厚生労働省は2012年度の診療報酬改定に向け、厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)は2012年1月13日、報酬の配分の議論を始めました。厚労省は中医協に提出した配分の骨子案の中で、来年4月から、同じ日に同じ病院で複数科を受診した患者に対し、再診料を重ねて請求できるよう見直すことを提案しました。病院の収入を増やし、勤務医の待遇改善につなげることが狙いですが、患者の自己負担は1回について100円前後増額の見通しです。

 再診料の690円は、受診が2回目以降の外来患者の治療代として医師が請求できる診療報酬となっています。原則7割は保険給付され、患者は3割の207円を自己負担します。現在は患者が同一病院で複数の診療科を訪れても、病院側は最初の診療科分しか請求できません。

 初めて治療する際の「初診料」の2700円は2カ所目でも半額を請求でき、再診料もこれに準じて二つの診療科までは請求を認めることとしました。過剰な診療を防止するため、一定制限を設けた上で、算定額は半額など一定程度減額する。

 再診料は、問診など基本的な診療行為の費用ですが、複数受診した場合、最初の診療科にのみ支払われるため、病院団体など診療側から「2科目以降の医師の技術料が正当に評価されていない」と不満が出ていました。再診料については、2010年度報酬改定で200床未満の病院(60点)と診療所(71点)の統一が焦点となり、診療所を2点引き下げて69点にすることで決着した経緯があります。骨子案では、診療所の再診料の引き上げは盛り込まれておらず、診療側の委員は検討を強く求めています。

 一方、健康保険組合など医療費の支払い側は「同じ日に同じ病院に再診料を2回払うのは患者として納得し難い」と反論、10年度報酬改定での再診料の2点引き下げにもかかわらず、診療所の収支が改善されているとする医療経済実態調査の結果などを根拠に、引き上げに反対する考えを示しています。


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