2009年03月03日

派遣社員を直接雇用

トヨタ九州、派遣1000人直接雇用へ

トヨタ自動車九州(福岡県宮若市)が、約1000人いる工場勤務の派遣社員の多くを期間従業員や社員として雇用することが3日わかった。派遣社員は8月までにほとんどが契約期限を迎えるが、その際、派遣会社との契約をせず、直接雇用する方針だ。

 期間従業員や準社員として採用した上で、正社員に登用することを検討している。直接雇用の人数は未定だが、早ければ6月に契約が切れる派遣社員から実施する。

 トヨタ九州が期間従業員を採用するのは1992年に生産を始めて以来、初めて。

 直接雇用に切り替えた場合、トヨタ九州は人件費などの負担が増す。しかし急激な減産の結果、在庫の圧縮が進み4月以降は減産が緩和される見通しで、今後の生産回復に備えて一定の労働力を確保する狙いがある。

 同社は昨年夏、派遣社員800人を削減した。その後、全国で「派遣切り」の動きが広がり、社会問題化していることも背景にあると見られる。

(2009年3月3日 読売新聞)



折からの不況による「派遣切り」騒動で、製造業の2009年問題への対応がおきざりになっているような感がありましたが、ここへきて在庫調整が一段落し、生産回復の目途が立ったということで、2009年問題への対応も含め今後どのように労働力を確保していくかが争点になりそうです。

弊社の顧問先の派遣会社様でも、派遣先企業での直接雇用の動きが活発になってきているようです。

リーマンショック以前は、2009年問題への対応を重視し、人員確保が難しい時期であったことも起因して、3年間の派遣期間に抵触する時期を目途に派遣社員ではなく、請負契約に切り替える形で調整が進んでいたようです。

しかし、不況で人余りの状況になった今は、派遣先企業としては、人員確保を派遣会社に頼るべくもなく、派遣社員の中で優秀な社員のみを直接雇用するのが得策ということで、順次直接雇用への切替が進んでいく予定だということです。

働く側としては、不安定な身分の派遣社員より直接雇用の方が安心して働くことができるのかもしれません。

ただし、生産調整のためにバッサリ「派遣切り」を行い、生産回復の目途がつけば優秀な人材だけ直接雇用に切り替えるという派遣先企業側の論理、人材派遣という制度の是非を考えてしまします。



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