2011年12月05日

社会保障の改革案 取りまとめへ

 社会保障と税の一体改革で、厚生労働省は、5日、本来より高い年金の支給水準を来年度から引き下げるなどとした社会保障部分の改革案をまとめることにしており、野田政権は、この改革案をもとに今週から政府・与党内の調整を本格化させることにしています。
 社会保障と税の一体改革で、野田総理大臣は、12月5日、政府与党社会保障改革本部を開き、関係閣僚や与党幹部に対し、消費税の引き上げの時期や税率をできるだけ具体的に記した政府・与党の「素案」を年内をめどに取りまとめるよう指示することにしています。
こうしたなか、厚生労働省は、5日、省の社会保障改革推進本部の会合を開き、年金や医療などの社会保障部分の改革案を取りまとめることにしています。それによりますと、過去の特例措置のため、本来より2.5%高くなっている年金の支給水準の引き下げを来年度、平成24年度の支給額から実施するため、具体的な実施時期や解消にかける期間を検討し、来年の通常国会に法案を提出するとしています。また、パートなどの非正規労働者の処遇を改善するため、企業が保険料の半分を負担する厚生年金や被用者保険に加入できる条件を緩和することについて、中小企業への適用に猶予期間を設けるなど、激変緩和措置を検討した上、来年の通常国会への法案提出に向けて、どの程度緩和するかや企業への影響に配慮するための具体的な制度設計、それに実施時期を引き続き検討するとしています。さらに、高額の医療費がかかる患者の負担軽減策を充実させるため、その財源として医療機関を受診した際に患者に一定額の負担を求める制度について、来年の通常国会への法案提出に向けて、所得の低い人にどのように配慮するかを含めて、引き続き検討するとしています。野田政権は、厚生労働省の改革案をもとに今週から政府・与党内の調整を本格化させることにしています。  


Posted by aiai_mc at 21:04「人事労務」最前線

2011年12月05日

年金積立金運用損3.7兆円 過去4番目の赤字

  年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は12月2日、2011年7~9月期の運用実績を発表ました。欧州債務危機に伴う世界的な株安と円高の進行で、株式と外国債券の運用が振るわず、3兆7326億円の損失を計上しました。運用資産額も6月末から約4.9兆円減少し、108.8兆円となった。年金給付に直ちに影響はないが、運用資産が目減りすれば、運用で得られる収益が少なくなる恐れがあります。
赤字額は、リーマンショック直後の平成20年の第4四半期以降では最も多く、市場での自主運用が始まった平成13年度以降で4番目に多くなりました。独立行政法人では、「経済状況によって一時的に損失が出ることもあるが、年金積立金全体の累積収益額はおよそ19兆円のプラスであり、今回の赤字が、ただちに年金給付に影響を与えるものではない」としています。  


Posted by aiai_mc at 20:55「人事労務」最前線