2011年07月07日

公的年金の運用損失、10年度2999億円

 厚生年金と国民年金の積立金を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人」は6日、平成22年度の運用結果は、2999億円の赤字だったと発表しました。前年度は3年ぶりに黒字となりましたが、再び赤字に転じました。
年金給付に直ちに影響することはありませんがが、運用方針の練り直しを迫られそうです。年金積立金の取り崩しは6兆円に膨らみました。
運用資産全体(財投債を含む)の利回りはマイナス0.25%となり、09年度のプラス7.91%から大幅に悪化しました。09年度の運用益は9兆1850億円で、市場での運用を始めた01年度以降の最高を記録していました。
 21年度はリーマンショック後の株安と為替差損の影響から回復して9兆1850億円の黒字でしたが、22年度はギリシャの財政危機に伴う欧州の金融不安や、米国の金融緩和による円高などにより国内株式と外国債券がマイナスに転落しました。また、東日本大震災発生から年度末までの間に国内株式はマイナス5・59%落ち込みました。
 22年度末時点の運用資産額は116兆3170億円で、構成比は国内株式12%、国内債券67%、外国株式11%、外国債券8%、短期資産3%。財投債での収益を除いた市場運用のみでの赤字額は5692億円でした。
  


Posted by aiai_mc at 21:08「人事労務」最前線

2011年07月07日

タクシー運転手:雇い止めは無効 賃金支払いを命令

 タクシー適正化・活性化法に基づく減車を理由とした一方的な雇い止めは解雇権の乱用だとして、札幌市西区の中堅タクシー会社「鈴蘭交通」の元乗務員の男性3人が同社に損害賠償を求めた訴訟で、札幌地裁は6日、雇い止めを無効とし賃金の支払いを命じました。
判決理由で宮崎謙裁判官は「減車の時期や台数がはっきりしない中、自発的な退職による自然減を考慮しないで雇い止めをした。合理性と必要性を欠き、解雇権の乱用だ」と述べました。
 判決によると、鈴蘭交通は、タクシー事業適正化・活性化特別措置法に伴い、減車を計画。2009年12月~10年12月に原告ら嘱託運転手34人を雇い止めにする一方、タクシー17台を減らしました。3人は1年ごとに契約更新する嘱託乗務員で、09年12月~10年7月に契約を打ち切られました。
原告側は「乗務員の労働条件改善という法律の趣旨に反する」と主張し、同社は「経営改善という合理的理由があった」と反論していました。同社は「担当者がいないのでコメントできない」と話しています。
  


Posted by aiai_mc at 20:27「人事労務」最前線