2011年11月10日

受診時定額負担:「低所得者は50円」 厚労省が軽減策

 厚生労働省は9日、外来患者の窓口負担(原則3割)に一律100円を上乗せする「受診時定額負担制度」について、住民税非課税世帯を低所得者層と位置づけ、負担を半額の50円とする案を社会保障審議会医療保険部会に示しました。窓口での確認は、加入する健康保険が発行する「限度額適用認定証」などを活用して行います。民主党から「低所得者に配慮すべきだ」と指摘されていることを踏まえました。
軽減対象は全体の約15%、約1700万人(09年度)で、市町村の国民健康保険(約1170万人)と75歳以上の後期高齢者医療制度(約500万人)加入者が大半。一律100円を徴収した場合に得られる財源は4100億円ですが、軽減措置を導入すると3700億円に減少します。
 受診時定額負担は、月の医療費が一定額を超えた場合に払い戻しを受けられる「高額療養費制度」の拡充に必要な財源(15年度3600億円)を確保することを検討しています。非課税世帯の上乗せ額を50円としても、拡充財源は賄える計算です。
 厚労省によると、現在75歳以上の人は年に平均34・2日通院しています(医科)。それが定額負担を導入すると負担増を嫌い0・3日分受診を控え、33・9日になるのではないかと試算しています。全世代でみると、医科・歯科で計約20億6000万日受診が減り、2060億円の医療費節減が可能としています。
 ただ、日本医師会は「受診抑制が重病発見を遅らせる」とし、定額負担に強く反対しています。また、02年度の健康保険法改正で健康保険組合などの加入者本人の窓口負担を2割から3割に引き上げた際、法の付則に「将来にわたって7割給付(自己負担3割)を維持する」と記した経緯があり、3割負担以外の別途徴収はこの付則に反するとの指摘もあります。
 一方、同省は高額療養費を拡充した場合、制度利用者が今の年間670万人から740万人に増えるとの推計も示しました。
  


Posted by aiai_mc at 21:22「人事労務」最前線

2011年11月10日

年金給付充実へ法案化で調整

 野田佳彦首相は9日午前の衆院予算委員会で、年金制度を一元化して所得比例年金に月額7万円の最低保障年金を組み合わせる新制度について「13年までには法案が提出できるように環境整備に努めたい」と述べ、民主党の09年衆院マニフェスト(政権公約)を踏まえ、13年中の法案提出を目指す考えを強調しました。
厚生労働省は、先に政府・与党がまとめた社会保障と税の一体改革案をもとに、年金や医療、介護などの改革の具体案作りを進めており、来年以降、順次、必要な法案を国会に提出する方針です。これについて、小宮山厚生労働大臣は9日の衆議院予算委員会で、所得が低い高齢者の年金額を加算することや、年金の受給資格を得るための加入期間を今の25年から短縮することを、来年の通常国会に提出する法案に盛り込む方針を示しました。また、専業主婦らの年金救済法案に関し、本来より多く年金を受け取っている受給者への「過払い」解消には、法律公布から最長五年かかるとの見通しを明らかにしました。


  


Posted by aiai_mc at 21:15「人事労務」最前線